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2017年6月29日の丑三つ時、happy(竹腰紗智)とかいう引き寄せ系スピリチュアルイベンターなるものらが、長崎県壱岐市の月読神社に黒い鏡を奉納した。

月読神社の宮司がご神体として祀ると云ったとか。

これ、事象的にいえば、月黄泉のご神体。
ということになる。


 ☞ https://dricho.com/happy04/

僕もむかし行ったことあるけど、壱岐の月読神社は神職のいない無格社。
たぶん住吉神社の宮司あたりが兼ねてるんだと思う。

江戸時代に平戸藩の国学者によってかつての壱岐国名神大社月読神社に比定され、以来月読神社ってことになってはいるが、根拠はそうとう怪しい。

もとは村人が山か海の神を祀っていたと思われる。

延喜式の名神大社が廃れてるくらいだから、壱岐はべつに月神信仰の土地柄ではない。
というか、月神の島だと知ってるのは、地元では郷土史家くらいじゃないかな。
全国月読神社の総本社なんてつもりで行ったら、まずまちがいなく拍子ぬけする。

でもそれでも壱岐は、月神の島である。

根拠は日本書紀。顕宗天皇三年。西暦487年の古墳時代。

朝鮮半島の任那に使いに赴いた阿閉臣事代(あへのおみことしろ)は、月神の「われを祀れ」って託宣をうけ、朝廷に奏上。
時の朝廷は壱岐県主の祖、押見宿禰に命じ、山背国葛野郡に月神を祀らせた。

いまの京都市西京区(=ロンギヌスの槍の長谷川カヲルくん)。
名神大社、葛野坐月読神社(松尾大社摂社)である。

ただしこの月神って、ほんとは月読尊ではない。

高木神(高皇産霊神)の子の、天月神命(あよみたま)である。

櫛玉火明命(一般にはニギハヤヒと同視されている)の飛鳥への天孫降臨のとき、兄の天日神命(あひみたま)とともに随行した神だ。
どこかの時点で、月読尊にすり変わった。

兄の天日神命の方は、対馬の「阿麻氐留神社」に祀られている。
日神の対馬たるゆえんだ。

これに対し弟の天月神命が祀られるのが、壱岐七社のひとつ「箱崎八幡神社」。
平戸藩の国学者さん、ほんとはこっちが正解でしょ。

月神をもとめて壱岐に行かれる方は、箱崎八幡神社への参拝をお忘れなく。
(というか、いまとなっては行かない方が無難だけどね)

説明がややこしいのでこれまで言及しなかったけど、じつは僕、月黄泉は月読尊ではなく、この天月神命(あよみたま)ではないかとも思っている。
まだ確証はないけども。

事象的に壱岐を重視してきた理由もそこだ。

櫛玉火明命(ニギハヤヒ)の天孫降臨の随行神って点も、2ndステージにぴったりだと思う。

さらに問題なのが、壱岐が中臣烏賊津使主(なかとみのいかつおみ)とつながってる点。
もしかしたら対馬に天日神命、壱岐に天月神命を祀ったのもそうなのかもしれない。

雷大臣命とも記され、有名な祭祀氏族中臣氏の祖とされる歴史上の人物だ。

武内宿禰とともに、あの神功皇后の腹心だった。

世界一おろかなクススマスツリー⇒ 世界一おろかな鳥居の生田森坐社、に祀られる神功皇后。
4月の神戸(かんど)バス暴走事故は、生田森坐社の事象だ。

「水蛭子のうみの十字」の中心、宇美八幡宮に祀られる神功皇后。
「令和」と令月の大宰府も、この十字。

そしてなにより、黄泉のイザナミに取り込まれた、神功皇后だ。


                                  2019.5.15

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